LoRaWANについて学ぼう①~LoRaとLoRaWAN~
IoTの無線通信方式
IoT (Internet of Things) と呼ばれるインターネットに繋がるモノが広く普及している。そのIoT デバイスをインターネットに繋ぐために数多くの無線通信方式が利用されているが、以下のようにその無線通信方式の特徴は様々である。
IoTの無線通信方式の中でもLPWA (Low Power Wide Area)と呼ばれるものは、その名の通り低消費電力かつ長距離通信が可能な無線通信方式全般を指す。代表的なLPWAとしてWI-SUN, SIGFOX, LoRaWANがある。
LoRaとは
LoRaは米国のSemtech社が策定した無線通信方式で、Long Range が名称の由来である。チャープスペクトラム拡散と呼ばれる変調方式を採用しており、低消費電力かつ長距離通信が可能である。大都市であれば1~5kmほど、見通しのよい場所だと10kmほどまで通信ができる。温度センサーなどの消費電力が小さいデバイスであれば、電池のみで5年ほど駆動するものもある。
また、LoRaは免許不要で利用できる周波数帯であり、欧州では868MHz、日本国内では920MHz帯で使用できる。
LoRaWANとは
LoRaWAN (LoRa Wide Area Network)とはLoRa Allianceが標準化したプロトコル(通信規約)で、LPWAの一種である。LoRa通信を用いてセンサーなどのIoTデバイスとサーバ間の通信の仕様を定めている。
LoRaとLoRaWANの違い
LoRaとLoRaWANを同義として用いられているのをよく目にするが、その違いをここで明確にさせておく。
LoRaは通信技術そのものを指し、LoRaWANはプロトコル(通信規約)を指す。OSI参照モデルで言うとLoRaは物理層、LoRaWANはデータリンク層に該当する。
LoRaWANのネットワーク構成
LoRaWANでシステムを構成する際の登場人物は主に以下の通りだ。
- デバイス
- ゲートウェイ
- ネットワークサーバ
- アプリケーションサーバ
- (ジョインサーバ)
ここで注意したいことがある。LoRaWANにはデバイスが本物であるかどうか認証する方式がABPとOTAAの二種類存在する。OTAAの場合はジョインサーバが必要となるのだが、詳しくは次の記事に書こうと思う。
上図のようにデバイスとゲートウェイ間をLora、ゲートウェイとサーバ間をLTE/4G等の広域通信網で通信する。前述したように認証方式によって必要なサーバは異なるので、ここでは「サーバ」としてまとめる。
まとめ
- LoRaWANはLPWAの一種で低消費電力かつ長距離通信が可能
- LoRaWANはデバイス、ゲートウェイ、ネットワークサーバ、アプリケーションサーバで構成される
次回はLoRaWANのセキュリティと二種類の認証方式について書こうと思う。